みなさんへ No.34 −平成から令和へ…自分のルーツに思いをはせる− 2019.05.07

f:id:fujimako0629:20190810154334j:plain

> 元号が平成から令和になりました。
> これを読んでくださっている皆さんのほとんどは、昭和、平
> 成、令和と3つの元号を生きてこられた方々のはず。
>
> 僕の祖父は、明治、大正、昭和の3つの元号を生きた人でし
> た。
> 僕からすれば、
> 「明治?江戸時代の次?明治の初期には、まだちょんまげの
> お侍さんがいたんだよね?…」
> という感じで、明治という時代は大昔のイメージ。
> そんなふうに思っていた僕が、昭和、平成、令和の3つの時
> 代を生きることになりました。
> 数年後、僕の息子に子供が出来て、その子が昭和という時代
> があったことを学んだとき、昭和という時代は、僕が明治と
> いう時代に感じた思いと同じような思いを感じるのかな、と
> 思ったら、3つの時代を生きてきたという重みを感じずには
> いられないというか、僕にとって感慨深い出来事なのです。
>
> そんな「戦争」の文字が付きまとった激動の3つの時代を生
> きた祖父の33回忌と、大正、昭和、平成の3つの時代を生
> き、100歳まで優しい笑顔を振りまいてくれた祖母の7回
> 忌をするために、この大型連休の前半、実家に帰っていまし
> た。
> 家族全員で帰省するのは、何年振りだろうって考えたら、祖
> 母が亡くなった時以来だったんですよね。なんか感慨深いで
> す。
>
> 近親者3家だけ招いて行われた今回の法事、終わってしまっ
> た今思えば、とっても素敵な時間でした。
> 食事中には、お寺さんもみんなリラックスして、昔話に花が
> 咲きました。
> 僕は、法事の経験はあまり多くないんだけど、そんな僕でも、
> いい時間だったなぁって思える暖かい時間でした。
>
> この歳になると、身内のつながりについて考えちゃうんです。
> こんな法事の時にしか会わないようなおじさんは、僕のお袋
> のお兄さんなんだな…とか。
> お袋が小さいときに、このおじさんはお袋の面倒を見てくれ
> たんだな…なんてね。
> そう考えると、そのおじさんと、そのおじさんとお袋が共有
> した昔話を聞きたくなるんですよ。昭和20年代、戦後の物
> のない時代のそんな話を。
> そんな昔話をいっぱい聞けた素敵な時間だったんです。
>
> 法事が終わった平成31年4月28日の夜、僕は自分のルー
> ツについて考えながら眠りにつきました。
> 結構複雑だったりするんだけど、ちゃんと聞いていないから、
> よく知らない僕のルーツを。
> そんなことを考えていると、今この時代を生きている僕たち
> 人類のことを思ってしまい、今この世にいる僕たちは、ホモ・
> サピエンスとして超エリートなんだよな…というところに行
> きついてしまいました。
> そうなんです。僕たちは超エリートなんですよ!皆さん自信
> を持ってください。(笑)
>
> ホモ・サピエンスは、諸説ありますが、約20万年前(また
> はそれ以前)に地球に誕生したと言われています。
> それ以降、我々の祖先が一番何と戦ってきたのかというと、
> 何だかわかります?大型肉食動物?異文化の民族?戦争?
> いえいえ、僕たちの祖先が…現在もですが、一番戦ってきた
> のは、「病原菌」なんです。
> チフス菌、コレラ菌ペスト菌
> これらがもたらす感染症に我々の祖先はどれだけ苦しめられ
> たことか。
> これらの病原菌が頻繁にパンデミック化した中世以前、その
> 都度何十万人という人が亡くなっているんです。
> 1928年にアレクサンダー・フレミング博士が、ペニシリ
> ンを発見するまで、こういった病原菌がもたらす感染症には
> 特効薬がなく、生死を分ける境目は、自分の遺伝子がその病
> 原菌に対して強いか弱いかにかかっていました。
> 手の施しようがなく、隔離されただ寝かされているだけ、そ
> んな状態の中で、そのまま亡くなっていくか、快復に向かう
> か…
> 今の世の中に生きている我々は、20万年前から何度も何度
> も襲い掛かって来た病原菌に打ち勝ってきた遺伝子を持って
> いるんです。
> それってすごいことだと思いませんか?
> ペニシリンが世に出てきたのが20世紀。それ以前に病原菌
> に感染したら、生死は神のみぞ知る、という状態だったんで
> すから。
>
> 今回紹介する本は、「銃・病原菌・鉄」というタイトルの本
> です。
> アフリカや中央アジア、オーストラリアなどには、未だに狩
> 猟採取の生活スタイルを基本として生活している人たちがい
> るそうです。インターネットが当たり前の時代に、です。
> 勘違いしてはいけないのは、「空飛ぶ車」の実用化を目指し
> ている我々の方が知能レベルが高くて、狩猟採集をしながら
> 生活している人たちのそれが低いということではないという
> こと。
> 私達は同じ人類、ホモ・サピエンスなのですから。
> なぜ同じ人類なのに、このような異なった発展になったのか
> をひも解くのがこの本なのですが、人類社会が発展していく
> 過程で、生活環境、家畜の出現、そういった生活スタイルの
> 変化には病原菌がつきものだったということもこの本に書か
> れています。
>
> 僕が今健康なのは、僕の母親が健康な体で僕を生んでくれた
> から。
> 更にさかのぼれば、僕の遠い遠い祖先が病原菌の猛威に打ち
> 勝ってきたから。
> それってすごいことだと、今更ながら思うわけです。
>
> 銃・病原菌・鉄(上下)
> ジャレド・ダイアモンド:著 草思社
>
> このメールは、係長さん以下の役職者の方にお送りしていま
> す。