みなさんへ No.23 −掃除のおばちゃんから学ぶこと− 2018.05.29

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> 頑張っているわけではないのですが、「朝8時前出社」をす
> るようになって2年が過ぎました。更に月3回の月曜日は、
> 8時からの会議に備えて、7時過ぎには会社に入っています。
> 早く会社に来るようになって良かったことの第1位は、掃除
> のおばちゃんと仲良しになれたことです。
>
> 朝7時過ぎの1階のエントランスでエレベータを待っている
> とき、降りてくるエレベータが1階を通り越して地下まで下
> りると、上がってきたエレベータには、自分の身体がすっぽ
> り収まってしまうような大きなごみ袋を持った掃除のおばち
> ゃんが乗っています。
> 「おはようございます」と僕。
> 「おはようございます。いつもお早いですね」とおばちゃん。
> 数年前のこんなお決まりの挨拶が、今年の冬の早朝にはこん
> なふうに変わっています。
> 「あっ、おはようございます。いつもありがとうございます。
> 今日もめっちゃ寒いですね。」
> 「おはようございます。ほんとに。でも私は年がら年中半そ
> でなんですよ(笑)」
> 「ほんまや!寒くないんですか?」
> 「会社の人にも言われるんですけど、仕事がやりづらくて。
> 内側にたくさん着てるんです」
> 「でも風邪ひきますよ。大丈夫ですか?」
> 「何とかは風邪ひかないと言いますから。私、風邪なんてこ
> こ何年もひいたことないんです」
>
> その掃除のおばちゃん、安部さんとおっしゃいます。
> なんと、朝の6時前からお昼の2時3時までかけて、たった
> 一人で本社のビルをきれいにしてくださっています。いつも
> ニコニコで、そして黙々と。
> ありがたいですよねぇ。
>
> 僕は、スーツを着て革靴を履いて、空調の効いた部屋のパソ
> コンの前に座って仕事をしていますが、時々自分のことを
> 「お前、何様やねん、温温と仕事しやがって…」
> と思うことがあります。
> 「お前は、安部さんのように人の役に立っているのか?」
> 「もっといっぱい汗をかいて、地面をはいつくばって、世の
> 中に役立つ仕事をしなければならないんじゃないのか?」と。
>
> 実は僕も、学生時代に半年ほどですが、掃除のアルバイトを
> していたことがあるんです。
> 簿記の検定試験に絶対合格しなければならなかったので、試
> 験日までは勉強時間の確保のため、短時間で終わるアルバイ
> トを探していて、ぴったり当てはまったのがパチンコ屋さん
> の清掃のお仕事でした。
> そんなアルバイトをしていたことなど綺麗サッパリ忘れてい
> たのですが、安部さんのお仕事ぶりに注目するようになって、
> ひょっこり思い出しました。
> たしか5,6人のメンバーで、お客さんがいなくなった閉店
> 後のパチンコ屋さんの、パチンコ台から何から何までを、1
> 時間半ほどの限られた時間できれいにするという、速さと丁
> 寧さの両方を求められる仕事でした。よく「拭き方が粗い」
> と怒られていたような気が…(笑)だから、安部さんのお仕事
> の大変さが、少し分かるような気がしています。
> 当時は、人に言うのが恥ずかしい、こっそりやる仕事のよう
> に考えていましたが、今なら堂々と言えます。
> 掃除というお仕事は尊い仕事だと。
>
> 掃除という仕事は尊いと教えてくれて、安部さんに「ありが
> とうございます」を言わなきゃと思わせてくれたのはこの本
> 「ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと」です。
> 作者の鎌田洋さんは、大手企業のやり手の営業マンだったに
> もかかわらず、ディズニーランドで働きたいとその地位を捨
> て、5回目のチャレンジの末、ようやくディズニーランドで
> 働く「キャスト」になりますが、与えられた仕事は、カスト
> ーディアル(清掃員)それも夜中に掃除をする、ナイトカスト
> ーディアルだった…ここからこの本の4編の感動ストーリー
> が始まります。
>
> 掃除、特にトイレ掃除が大好き!という人はきっと少ないは
> ず。
> でも、きれいなトイレの清々しさは、たぶんみなさん感じら
> れたことがあると思います。
> トイレに限らず、「きれい」だからこそ清々しくて、誰もが
> 汚したくなくなるんです。
> 「きれい」だからこそ「ごみ」という違和感に気付いて「拾
> わなきゃ」と思うんです。
> 掃除という仕事であれ、どんな仕事であっても、指示された
> ことを忠実にこなすことに目を向けて取り組んでいるうちは、
> その仕事の賞味期限はあっという間にやってきます。フレッ
> シュな気持ちがなくなって、忠実にこなすという初心すら忘
> れがちになります。
> 指示されたことをこなしながらも、その仕事の先いるお客さ
> んの存在に気付き、強く考えられるようになればしめたもの。
> その仕事の賞味期限は先に先に延びていきます。
> 「考えること」と「工夫すること」が賞味期限を先に延ばし、
> フレッシュな気持を持続させるだけでなく、「やりがい」と
> 「楽しさ」というおまけまでくっつけてくれます。
> 「やりがい」があって「楽しい」仕事…それって誇らしく大
> 好きな仕事ということじゃないでしょうか!
> ディズニーランドでは、カストーディアル(清掃員)はキャ
> ストのなかでも花形のお仕事だとか。
> それはきっと、カストーディアルの皆さんが自分の仕事を誇
> らしいと思い、大好きだからです。
> 掃除をすることってやっぱり楽しいことなんですね。そして
> 掃除をすることは、その空間だけでなく人の心まで「きれい」
> にするみたいです。
>
> ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと
> 鎌田洋(著) SBクリエイティブ
>
>
> このメールは、係長さん以下の役職者の方にお送りしていま
> す。