みなさんへ No.37 −日々使う道具を大切にしよう− 2019.07.31

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> 僕は、朝5時半に起きます。
> 朝起きるとまず、朝ごはん何作ろう?と考えます。朝食は内
> 容もレシピも限られますよね。主食はごはんなのかパンなの
> か。主菜もたまごやベーコン、ウィンナーとかが多くなるし。
> ごはんのお供は?納豆?海苔?パンにはバター?ジャム?ク
> リームチーズ?お汁系はどうする?お味噌汁?手軽なカップ
> スープ?日本茶?紅茶?コーヒー?みたいな感じで。
> 自分のお弁当も作らなければならないので、これから作るも
> のをお弁当のおかずにもしなければならないし。さぁ、どう
> しよう?
> ここから始まるのです。
> 冷蔵庫と相談し、朝食のことを考えながらまず長男と僕のワ
> イシャツにアイロンがけをします。昨日の洗濯物にワイシャ
> ツがあればとにかくアイロンがけ。朝の日課です。
>
> そして6時ごろから、朝食の準備に取り掛かります。
> 今日は、卵焼きとボイルした粗挽きウィンナー、そのボイル
> したお湯にコンソメと玉ねぎと冷凍ブロッコリーを加えて塩
> コショウで味付けしたスープとごはん。長男には納豆付き。
> ごはんは、タイマーで朝5時半にたけるようにセットしてあ
> るので、15分ほどで完成です。
> 長男も僕と同じく朝7時前後に仕事に出かけるため、大抵6
> 時15分ごろ起きてきます。
> 食卓に着くのが25分ごろなので、彼が食卓に着くタイミン
> グで卵焼き3切れと粗挽きウィンナー2つとスープに納豆ご
> はんが食卓に並びます。
> 僕は、キッチンで卵焼きとウィンナー、冷凍の野菜やらチン
> したもう一品をお弁当箱に詰めながら残ったおかずで朝食を
> とります。
> これが平日の僕の朝のあわただしい標準的なひと時。
> あわただしいんだけど、そのときに使ったお皿や、包丁、お
> 鍋やフライパン、そういった日々使う道具は使ったままにし
> ないで、ちゃんと洗い、料理をしたキッチンをきれいにして
> 家を出ます。
> 次に使う人のためと、大切な道具のため。
> 道具って大切ですよね。どれだけ僕らを助けてくれるか。
>
> 僕は道具好きです。自分が日々使う道具は、機能すればなん
> でもいいという考え方はあまり好きではありません。
> キッチンの道具は、僕の好みだけで決めることはできないけ
> ど、自分が使う筆記用具とか、時計、お酒の器とかは、気に
> 入ったものを使いたいと思ってしまいます。だから値段では
> なく気に入って納得して使っているものは、できる限り長く
> 使いたい、そう思います。
> 例えば、十数年前にすごく惹かれる機械式腕時計に出会いま
> した。値段も円高の影響でG-shockが買える程度まで下がっ
> ていたので即購入し、買った値段以上のお金をかけてオーバ
> ーホールをし、今も使っています。新品を買ってもお釣りが
> くるお金を使ってまで、愛着のある古い道具を修理して使い
> 続けること。僕は意義があることだと思っています。
>
> また、最近「器の修復」について勉強しています。割れたり
> 欠けたりてしまった器をまた使えるように直すのです。
> そのことを「継ぐ」と言います。金粉や真鍮紛を使って、継
> いだ後を金色に染める継ぎ方を「金継ぎ(きんつぎ)」と言い
> ます。
> 本格的な漆を使った昔ながらの継ぎ方はまだ勉強中ですが、
> どうにか、簡易的な継ぎ方で割れてしまった器や、縁が欠け
> てしまった器の修復ができるようになりました。
> 僕は、古道具も好きで、神戸元町の愛想のない古道具屋で、
> 気に入った江戸時代の染付の器などをたまに買って帰ります。
> その古道具屋は、驚くほど安いんです。(だから商品は埃まみ
> れです(笑))
> 例えば、きれいな骨董屋さんで1万円の値札が付いている完
> 品の器があるとすれば、その古道具屋では、同じ器が多分半
> 値以下になります。更にその器の1、2か所に軽い傷があれば、
> さらに半値以下になるんです。
> そんな、傷はあるけど器として使うには全く支障のない古い
> 器を、千円前後で買ってきて、直して使います。直した器に
> は、完品の器にはない趣が加わります。
> そんな器で、仕事の後のお酒をいただくことが、僕にとって
> のささやかな贅沢です。
>
> 「てきとう」という言葉、あまり好きではありません。でも、
> 「てきとう」でもよいことは実際にあり、それを「ていねい」
> にすれば、そこにはきっと「こころがこもる」のです。
> 休日のお昼ごはんを、「暑いし、素麺で適当に済まそう」と
> いうことがありますよね。
> でも、そんなお昼ごはんであっても、おつゆを入れる器をお
> 味噌汁用のお椀で済ますのではなく、蕎麦猪口を使う。素麺
> は水を切った笊に氷を落としてそのまま食卓に持って行くの
> ではなく、大きなお皿に食べやすいように盛って食卓に持っ
> て行く、それだけで美味しさが増すような気がするんです。
> 「あー美味しかった」と感謝の気持ちが一層湧いてくると。
>
> 「おいしい時間」という本があります。
> 著者の高橋みどりさんが、ご自身の日常を写真とともに語ら
> れている本なのですが、この本には、高橋さんの「こころの
> こもった」の日常生活が綴られているように僕は思いました。
> 無理しない、肩ひじを張らない丁寧な日々が。
> この本を捲っていると、この本の中にある世界は、時間をか
> けて築いた信念に基づいたものであることが分かります。そ
> のぶれることのない生活スタイルというものは、直接高橋み
> どりさんのお仕事に直結していて、とてつもなく大きな責任
> とか、重圧とかを今まで数えきれないほど乗り越えてこられ
> たんだろうなぁと、思いを馳せずにはいられないのです。
>
> おいしい時間
> 高橋みどり:著 アノニマスタジオ
>
> このメールは、係長さん以下の役職者の方にお送りしていま
> す。