みなさんへ No.22 −文章という芸術、料理という芸術、絵という芸術- 2018.04.26

> 去年の3月の「みなさんへNO.9」で紹介した料理家の高山
> なおみさんの著書『帰ってきた日々ごはん①』このシリーズ
> は週に1回更新される高山さんの日記「日々ごはん」を本に
> したものなんです。
> この本と高山さんの日記に出会えたのは、「暮しの手帖」の
> 元編集者である田中真唯子さんという方のSNSから。
> 田中さんとは、そのSNSで知り合い、時々ネットを経由して
> お話をさせていただくようになり、本や雑誌作りなどいろん
> なことを教えていただいています。
> その田中さんが去年、ご自身のSNSで、「暮しの手帖」の編
> 集をされていた当時の田中さんが、丹精込めて作った
> 「わたしのマフィン」という記事通りのレシピで高山さんが
> マフィンを焼き、とてもおいしくできた、そんな内容の高山
> さんの日記を紹介されていました。
> ほんとうにありがたい。感動した。明日も頑張ろう!って。
> そのSNSを読んで、僕も一緒になって感動して、高山さんの
> 日記を読んでみたいと思い、高山さんの日記に飛んでいって
> 読み始めたら、なんと高山さんは2年前の5月から僕が住む
> 神戸に引っ越されていました。ご近所さんだったのです。
>
> その日記「日々ごはん」の中に、「マメちゃん」と呼ばれる
> 女性が時々出てきます。
> 彼女は、去年の夏に発売になった「帰ってきた日々ごはん③」
> の表紙の絵や挿絵を担当された方だということをこの日記か
> ら知り、実際に本を手にして、素敵な絵を描かれる方だなぁ
> と思っていました。
>
> さてここからは、「田中さん」&「絵」つながりのメインの話。
> 田中さんが2015年に「暮しの手帖」をお辞めになった後
> 「くらしのきほん」というウェブサイトに編集者として参加
> されました。
> 僕はそのサイトを見るようになり、そこに定期的に登場する
> 素敵な絵に出会いました。その絵は田中さんの友人である坂
> 巻弓華(ゆか)さんという方が描かれたものでした。
> どんなタッチの絵もとても素敵で、実際に見てみたいと、関
> 西で個展が開かれるのをずっと待っていたところ、ついに大
> 阪での個展の告知があって、4月14日に見に行ってきまし
> た。
> 場所は、「iTohen」という梅田から、20分ほど北に
> 歩いたところにあるカフェ。ギャラリーがあり、オーナーさ
> んが厳選した本が置いてあります。
> 14日のお昼過ぎ、僕はiTohenにお邪魔して、コービ
> ー1杯で2時間近く、坂巻さんの絵だけでなく、なんと「マ
> メちゃん」の絵にも夢中になることになりました。
>
> そういえば…って気が付いたんです。高山さんの日記「日々
> ごはん」に「iTohen」も出てきたよなぁ?って。
> 前日の金曜日、僕はそのことを確認するために高山さんの日
> 記を読んでいて気が付きました。「iTohen」はやっぱ
> り出てきてて、「マメちゃん」ことマメイケダさんとたびた
> びセットで登場することに。
> 僕はすぐさま、マメイケダさんを検索し、とても味のある食
> べ物の絵をたくさん見ることになりました。たとえば、今本
> 屋さんやコンビニの目立つところにおいてあるdancyuのム
> ック本の表紙のカレーライスの絵もマメイケダさんの作品で
> す。
>
> iTohenで夢中になって坂巻さんの絵を見ているときに、
> オーナーさんから声をかけられました。「どこで坂巻さんを
> 知られたのですか?」って。
> お話をさせていただいているうちに
> 「うちで働いているマメイケダという女の子も先日坂巻さん
> の絵を買ったんです…」
> とおっしゃって…
> 「えっ、さっきコーヒーを持ってきてくれた、坂巻さんのこ
> とお話させてもらった女性がマ、マメイケダさんなんですか?
> (ドキドキドキドキ…)」
> 「そうです、そうです」
> 「えっ…えええぇ!!!」
> な、なんと、僕は「マメちゃん」を詳しく知った次の日に、
> その「マメちゃん」に会ってしまったのです。
>
> その後僕は、僕の中のマメイケダさんのこと全てをご本人に
> お話ししました。そして、いろんな話を伺いました。
> 高山さんのこと、日々ごはん③のこと、今までのお仕事のこ
> と……ご自身の作品集「味がある。」を拝見しながら。
> マメイケダさんはまだ26歳。若いのに、初対面の僕に対し
> てもとても誠実にいろんなことに答えてくだる本当に素敵な
> 方でした。
>
> お店を出て、とても濃密な時間の余韻に浸りながら梅田に向
> かって歩いているとき、僕は決めました。坂巻さんの絵、や
> っぱ買おうと。この繋がりを、縁を大切にしなきゃなって。
> その絵は、僕の目に最初に入ってきた一番小さくてとても素
> 敵な僕の今の心に通じる絵。
> タイトルは、「白い花に祈る」です。
>
> 僕は、僕みたいに会社というバリアで守られながら生きるの
> ではなく、自分の才能や発想を必死に磨き、自分の力で世の
> 中に「価値」を発信しながら生きている人にとても魅力を感
> じます。
> この文章に出てきたすべての人たちは、まさにそういう人た
> ちで、僕は、そういう人に出会うと、ちょっと勇気を出して、
> 自分からその人に飛び込んでいくようにしています。
>
> 帰ってきた日々ごはん③
> 高山なおみ:著 マメイケダ:カバー、本文装画
> アノニマ・スタジオ
>
> このメールは、係長さん以下の役職者の方にお送りしていま
> す。
>
> 田中さん、ありがとうございました。