みなさんへ No.11 −平尾ぉ、早すぎるで!(涙)− 2017.05.20

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> 「2015年9月19日」
> と聞いて何の日だか言える人がもしもいたら、相当マニアックな人
> ですが、
> 「スポーツ史上最大の番狂わせが起きた日」
> と聞けば、ピンとくる人がいらっしゃるかもしれません。
> そう、ラグビーのワールドカップイングランド大会で、日本が南ア
> フリカに34対32で勝利した日です。
> 前後半80分を経過し、ボールがピッチの外に出た時点でノーサイ
> ドとなる、ラストワンプレーの状況で、日本はペナルティーキック
> のチャンスを得ます。確実に成功する場所で。
> その時32対29で南アフリカ3点のリード。ペナルティーキック
> 成功すれば3点。同点で試合終了です。僕はテレビを見ながら、
> 「蹴れ!」と叫びました。だって、南アフリカに対して引き分けで
> も快挙です。
> ヘッドコーチのエディージョーンズも、キャプテンのリーチマイケ
> ルに、キックの指示を出したそうです。
> しかし、ピッチ内にいた15人の考え方は一致していて、「キック」
> ではありませんでした。
> 「トライを狙う!」
> そして、約4分後、カーン・ヘスケスが敵のインゴールの左隅にな
> だれ込むようにトライを決めたとき、史上最大の番狂わせが完了し
> ました。今思い出しても、興奮がよみがえります。
>
> この日の試合前の時点で、南アフリカのランキングは3位、日本は
> 13位。
> 普通に考えて、テストマッチでもなんでもない真剣勝負で、日本が
> 本気の南アフリカに勝てると思っていた人は、ほとんどいなかった
> はずです。
> 唯一本気で勝てると思っていたのは、「Japan way」のジグ
> ソーパズルのピースはめてパズルを完成させた、当事者である選手
> やコーチ陣、陰で支えるサポートスタッフたちだけだったのではな
> いでしょうか。(注)
> 五郎丸もリーチマイケルも、試合後のインタビューで、
> 「この日のために4年間苦しい練習に必死に耐えてきた。この勝利
> は偶然ではなく必然だ」
> そう、さらりと言ってのけました。本気で勝てると信じていたから
> こそ、言える言葉です。
>
> そしてもう一人、この勝利が高い確率で実現すると思っていた人が
> いたとしたら、それはミスター・ラグビー平尾誠二さんだと思う
> のです。
> この時すでに平尾さんは2019年のワールドカップ日本大会のため
> に、4年後を見据えたチームの強化や、ラグビーというスポーツの
> 更なる知名度アップを目指して動き出されていました。日本代表
> のこの勝利は、本当に嬉しかったことでしょう。
>
> 僕にとって平尾誠二は、まぎれもなくスーパースターでした。プレ
> ーヤーとしての彼の活躍は、もはや言うまでもありません。彼は、
> 常に日本ラグビー界のど真ん中にいました。
> 選手時代の平尾誠二と比較すると、引退後の指導者としての平尾誠
> 二はたくさんの苦しみや挫折を経験しているようです。
> 1997年から2000年までの代表監督をしていた時も、思うような結
> 果は出せませんでした。
> 日本代表が強くなった今だから言えることなのかもしれませんが、
> 平尾の思想や、やろうとしたことは、「早すぎた」のだそうです。
> 平尾誠二が指導者だった時にやろうとしたことは、
> ・代表になる権利のある外国人選手の人数を増やす。
> ・ラグビー以外のスポーツで才能を発揮している選手やコーチをス
> カウトする。
> ・2時間以上連続して練習を行わない。
> など。
> 2015年のエディージャパンの時には当たり前だったこれらのことが、
> 18年前の平尾ジャパンの時の日本ラグビー界では当たり前ではなか
> ったのですね。
>
> 南アフリカ戦から約半年後の2016年の4月、毎日新聞にやせ細った
> 平尾さんの写真と記事が載っていました。
> 写真を見たとき、「ああ、癌だな…」と確信しました。
> でも、そんな姿になっても、公の場に出てくることの意味を考えた
> とき、平尾誠二はまだあきらめていないんだな、と彼の心を知りま
> した。一生懸命戦っているんだと。
> であるならば、応援しないわけにはいきません。
> 「がんばれ!平尾誠二!!」「負けるな!平尾誠二!!」と。
> でも、それから半年がたった10月20日。彼が天国に召されたと知
> り、覚悟はしていたとはいえ、大きなショックを受けました。
> 日本はとてつもなく大切な宝物を失いました。
> そして、それからまた半年たった4月、この本に出会ったんです。
>
> 「人を奮い立たせるリーダーの力」 平尾誠二
>
> 闘病中の彼の主治医は、山中伸弥先生だったことを本の中で知りま
> した。どれだけ心強かったことか…
> この本の冒頭に、山中先生が平尾誠二さんをしのぶ会で述べられた
> 言葉が記されているのですが、その中で平尾さんが山中先生に話し
> たという、「人を叱るときの4つの心得」、この心得を最後に紹介し
> ます。
> 1.プレーを叱っても、人格は責めない。
> 2.あとで必ずフォローする。
> 3.他人と比較しない。
> 4.長時間叱らない。
>
> この本は、平尾誠二の残した言葉の中から、組織をまとめる
> 「リーダーの力」というキーワードをテーマに構成されています。
> これから、真のリーダーになっていく皆さんに是非読んでもらいた
> い本です。
>
> 人を奮い立たせるリーダーの力 平尾誠二著 マガジンハウス
>
> (注)「ラグビー日本代表 ジグソーパズル ジャパンウェイ」
> で検索してみてください。
>
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