みなさんへ No49 ーメダカの赤ちゃんが生まれました!ー

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僕は、植物や小動物を育てるのが上手ではない。エアプランツや多肉植物など、何度枯らしたことか。そして、猫や犬は飼えないけれどメダカなら飼えるだろうと、ガラスの花瓶や睡蓮鉢で飼い始めるのだけど、上手に育てられなかった。


そんな僕だけど、最近、少しは彼らの気持ちに寄り添えるようになったようで、植物は枯れにくくなったように思うし、メダカについては、めっちゃうれしいことがあった。

それなりに気を使い、可愛がっていたつもりだっただけど、結局それは自己満足で、相手の身になって、何をすべきか考えられていなかったことが、枯らしたり、死なせたりした原因だと気付き、水や餌のやり方、メダカの水の正しい換え方など、いろいろ調べ、正しいと言われているやり方に変えた。

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例えば、メダカの水は、カルキを抜いた水であっても、全部を入れ替えるのは良くないのだそう。そういうちょっとした気配りが、植物やメダカに少しずつ伝わり、結果が出てきたのだと思う。

ただ、エアプランツについては、水やりも週に3日程度夜に行うようにし、ソーキングもしているんだけど、これからどうなることやら。なかなか変化が現れない植物だから今、

元気なのか、弱り気味なのか、よくわからないからじれったい。

メダカは、2匹いて、基本的に日当たりの良い室内で飼っていたんだけど、入れている水草が少しずつ小さくなってきたので、いつもメダカを買う、昔ながらの金魚屋さん(小鳥も売ってる)でアナカリスという水草を買ってきた。今入っている水草と同じ水草だ。

短いのが2本ほどあれば十分なのに、売ってるのは、長いのが5本くらいで200円。

メダカを入れているガラスの花瓶には、水草が1本あれば十分。長いのを途中でカットして水に入れ、残りの水草は庭に置いていたバケツに水を張って入れた。

これからの時期、水たまりがあると、そこにボウフラが湧く。

それを防ぐために、その店でメダカを5匹100円で買ってきて、そのバケツに入れた。それが4月の終わりのこと。

そしてその後、そのバケツの中の生き物たちが、嬉しいことにめちゃくちゃ元気なのだ。

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アナカリスは7月の中旬まで、毎日のように白い可愛い花をつけていたし、メダカたちも食欲旺盛で見る見るうちに大きくなっている。

そしてある日、驚きの発見があった。

その日は休日で、いつものように朝、餌をやりに庭に出て、餌を撒いたバケツを見つめていた。10秒ほどすると、底の方からメダカが餌に気付いて、1匹2匹と水面に上がってくる

ので、僕は、「1匹、2匹、3匹…」と目で数えて、5匹いることを確認する。

すると、視界の隅っこに何か動いた気配が。

目線を移すと、3ミリほどの赤ちゃんメダカが1匹泳いでいるではないか!

僕は「えっ」と思いながらその子を追った。すると、もう1匹赤ちゃんメダカがいて、「うわぁ」と声を上げてしまった。

もっといないかと目を皿にして探したけど、結局2匹しか見つからなかった。たった2匹だけど、赤ちゃんが生まれたことに、僕はめっちゃ興奮した。

メダカのお母さんは一度にどのくらいの卵を産むんだろう?

メダカを元気に育てることもままならなかった僕は、そんなことなど知るはずもなく、その場で調べ、10個から20個ほど生むと知った。ということは、生んだほとんどの卵もしくは生まれたばかりの赤ちゃんメダカは、5匹いる大人メダカに食べられてしまったということになる。僕はすぐさま400㏄の水が入るガラスのコップに2匹の赤ちゃんメダカを入れ、居間の日当たりの良い窓辺の棚の上に置いた。そしてその日は、数えきれないほどそのコップを眺めた。上から、横から、斜めから。小さくてまだ色が薄い2匹の赤ん坊は、見つけるのが大変で、その日から僕は、「あれ、いない?」とか言いながらコップを見る、ドキドキワクワクの毎日が始まった。

そんな日々のスタートが、1ヶ月半ほど前のこと。

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そして今、そのコップは睡蓮鉢に変わり、10匹以上の赤ちゃんメダカが泳いでいる。

6月の終わりに初めて赤ちゃんを2匹見つけて以降、お母さんメダカが2度卵を産んだ。最初に生まれた2匹の赤ちゃんメダカは、残念ながらいつの間にか1匹だけになってしまっ

たけど、その子は、1ヶ月ちょっとで親メダカの1/3くらいまで大きくなり、今は生まれたバケツに戻り、親メダカたちと一緒に元気に泳いでいる。


そんなメダカの元気な姿を眺めながら、僕は子供のころを思い出す。

家の前の川でよく遊んだよなぁ。川の浅瀬にはオイカワやウグイの稚魚がたくさんいて、水に入ると、脚に寄ってきて、つんつん突かれるのがめっちゃくすぐったくて。そして僕らは、その稚魚を「メダカ」と呼んでたよなぁ…なんて。


地元の川には、魚以外にも当たり前だけど、いろんな生物がいる。それらの一部は、春から夏にかけて羽のある昆虫に変身する。ある特定の時期の夕方から夜に彼らは変身して、子孫を残すための相手探しの旅にでる。そして街灯や家の窓明かりに引き寄せられるのだ。

今住んでいる神戸の家のそばにも、小さいけれど綺麗な川が流れている。本当に綺麗な水なのに、魚を含めて生物があんまりいない。夜、最寄り駅から家までその川のそばを歩いて帰るんだけど、虫が街灯に集まっているのを見ないし、うちの網戸にも虫はたかっていない。

生物が隠れることができる水生植物も生えているのに、なぜ生きものが少ないんだろう?

そんな質問をしてみたい先生の第1番手が養老孟司先生だ。大好きな養老先生の新しい本の存在を新聞で知り、さっそく図書館で借りてきた。養老先生と京大総長の山極寿一先生の

共著だ。京大総長であり人類学者である山極先生は、ゴリラ研究の第一人者で、解剖学の権威である養老先生は、ゾウムシの研究家で、昆虫の生態に詳しい。

養老先生は鎌倉に、まるという年老いた猫と住んでいる。先日NHKの密着番組が放送されているのを観た。地球やそこに住むすべての生き物に対する愛について、整然と論理的に語りきる養老先生を僕はひそかに尊敬している。


虫とゴリラ 

養老孟司、山極寿一:共著 毎日新聞出版