みなさんへ No.47 ーさくらねこをご存知ですか?-

f:id:fujimako0629:20200602234029j:image関西の緊急事態宣言は解除になりましたが、僕は引き続き、週に2日くらい在宅で仕事をしています。
ありがたいことに自分の部屋をもらっているので、家族に迷惑をかけることも最小限で済んでいると勝手に思っているのですが、実際のところどうなんでしょうね。
僕の部屋の奥には小さな庭があり、その庭を眺めながら仕事をしているんですが、可愛らしいお客さんが頻繁にやってきます。このことは、前回の「みなさんへ」でも書きました。気分転換になっているって。
そのお客さんとは野良猫なのですが、ちょっと気になることに気付いて調べたことがあるんです。
うちの庭にやってくる野良猫のうち、半分くらいの猫は片方の耳の先端がVの字のようにカットされています。初めて片耳がカットされている猫に気付いたのは3月の初旬。茶色と白い柄の猫でした。その時は、喧嘩でもして噛みちぎられたのかな?くらいに思っていたのですが、その猫と凄く仲の良い、茶トラ柄の猫の片耳もV字にカットされていたんです。
これは何かあるぞ、ということで調べてみました。
あの子たちは「さくらねこ」と呼ばれる野良猫だったのです。
カットされている耳の形が、1片の桜の花びらに似ているからそう呼ばれているそうです。

さて、うち家の近所にはたくさんの野良猫がいます。夜9時ごろ、帰宅のためにうちの近所を歩いていると、たくさんの野良猫に出会います。生まれてまだそれほど経っていない子猫も見かけます。そんな環境にあるうちの庭には、7匹の野良猫がやって来ます。僕が在宅勤務中や土日に見かける猫たちです。
茶トラ柄の子が2匹、茶色と白柄の子、黒い子が2匹、グレーのロシアンブルーっぽい子、そしてキジトラ柄の子です。
f:id:fujimako0629:20200602234201j:imagef:id:fujimako0629:20200602234237j:imagef:id:fujimako0629:20200602234504j:imageどの子もみんな仲良しで、うちの小さな庭で丸まって寝たり、じゃれ合ったり、外においてあるメダカの鉢の水を飲んだりとリラックスしている様子。
そんな7匹の野良猫のうち4匹の耳がV字にカットされているんです。茶色と白い柄の子と茶トラ柄の子、黒い子とキジトラの子です。
では、さくらねこはなぜ片耳がV字型にカットされているのか?
それは、不妊手術が行われている猫だということを表すためなんです。この活動は「どうぶつ基金」という公益財団法人が行っています。

現在、保健所で保護され、飼い主が見つからず殺処分される猫が何匹いるかご存知ですか?
どうぶつ基金のホームページによると、2015年度の殺処分件数は6.7万匹、2016年度は4.5万匹。なんと、遡ること今から14年前の2006年度は23万匹の猫が殺処分されていたとのこと。
この数字と変遷をどう見るかですが、僕は、4.5万匹と聞いて、すごい数だなぁ、というのが第一印象でした。
とはいえ、1年で2万匹以上の殺処分数が減っているわけで、さらに過去10年間で1/5にまで減少していることにも驚きました。なぜここまで減ったのかという疑問とともに。
良い機会だから、猫の生態についてもちょっと調べてみました。猫は生後半年で赤ちゃんを産める体になるんだそうです。
そして1回の出産で平均5匹の赤ちゃんを産み、年に3回の妊娠が可能なんだそうで、地域猫(どうぶつ基金は、野良猫のことをこう呼んでいるので、それに合わせて以後このよび方)を放っておけば、地域猫は爆発的に増えていくんです。
そんな事実がある中、この10年間で確実に殺処分が減少していて、直近のデータでは、1年間で2万匹以上の殺処分が減っている一番の要因が、このさくらねこの活動なのです。
ちなみに雄猫は右耳、雌猫は左耳がカットされているんだそうで、うちの庭にやってくる子たちで確認したところ、すべて右耳、つまり不妊治療が行われた雄猫が4匹、うちの庭に
遊びに来ていたんですね。残りの3匹のうち茶トラのもう1匹は雄なんですが、あと2匹の性別はまだ確認できていません。

罠を仕掛けて地域猫を捕獲し(Trap)、その場で不妊手術を行い、耳をV字にカットし(Neuter)、罠を仕掛けたところにまた放す、(Return)このTNRを地道に行うことが、猫の殺処分を減らす一番の近道なんだそうです。これらすべてどうぶつ基金の方々や地域のボランティアさん、獣医さんの努力の賜物。地道な活動に頭が下がります。

話は全く変わりますが、初期の村上春樹さんのエッセイには猫の話題がよく出てきます。村上さんはめっちゃ猫好きで、猫とずっと一緒に生活しておられるようですね。5/22にオンエアされた村上Radioで、好きなものに猫の肉球を上げておられましたし。
僕は、初期の村上作品の中で、特にイラストレータ安西水丸さんとのコラボ作品が好きで、何度も読み返しながら30年ほどずっと手元においています。しかし、持っていない本が数冊あり、当時の単行本が欲しくて、古書店さんで出会うのを根気強く待っているのですが、この度、長い自粛要請が解除され、最近再びお店を開けられた古書店さんのSNSで、そのうちの1冊「村上朝日堂の逆襲」を発見し、この土曜日に受け取ってきました。神戸の元町にある「1003」というお店です。
僕は、10代後半から40歳くらいまで、村上作品を夢中になって読んでいました。そんな作品をまた手に取ってパラパラめくるのも、まだまだおっぴろげに外出できない、今のおうち時間を快適に過ごすいい方法だと気づきました。ついでに、本棚の掃除をしたりしながらね。
そして猫は、新型コロナウィルスに感染しやすい動物らしく、極端に近づけませんが(猫から人に感染した例はまだないみたいですど…)、庭にやってくる7匹の地域猫たちも、在宅ワークを助けてくれる存在であることは間違いありません。
みなさんも、昔読んだ本を本棚から引っ張り出してパラパラめくってみてください。自分を再発見できるかもしれません。

村上朝日堂の逆襲
村上春樹:著 安西水丸:絵 朝日新聞社